バリ島の新年「ニュピ」は『宇宙を休ませ反省する日』

ニュピは、バリ島の新年を祝う儀式です。

現代では考えられない規律が定められているバリヒンドゥー教の宗教儀礼です。


バリ島は、儀礼の日を定めるウク暦と、ニュピの日ちにちを定めるサカ暦、日常生活で使う太陽暦と3つの暦を使う珍しい国です。

そんなニュピについてご紹介します。

1、ニュピの由来と歴史

ニュピはバリヒンドゥー教の新年にあたり、「静寂の日」とされています。

NyepiはSepi(静か)というインドネシア語から作られた言葉です。

バリ島では、ニュピの日にちを定める「サカ暦」、一年を210日として、お祭りや儀礼を定める「ウク暦」、日常生活に使う太陽暦(西暦)の3つを使い生活をしています。

太陽暦に沿って大晦日や新年も祝いますが、バリ人にとってはこのニュピが本当の意味での新年になります。

「ニュピ」と検索すると、ほとんど「静寂の日」という言葉が出てくるのですが、バリの友達に聞いたところ『宇宙を休ませ反省する日』と教えてもらいました。

「静寂の日」も神秘的で素敵な表現ですが、『宇宙を休ませ反省する日』の表現は、人間都合の思考ではなく、生きとし生きるものへの敬意もあり、内省も含んでいるように解釈できて好きです。

いいと思いませんか?

2、ニュピ3日前に行われるメラスティ

ニュピを迎えるにあたっての準備として、お供物を用意したり、民族衣装を新調したり、精神を整える儀礼など、数ヶ月前から行われます。

ニュピの3日前に行うメラスティ(Melasti)は、浄化と神聖なエネルギーを取り入れるための海で行う儀礼です。
日本でいう、禊やお清めに値すると思います。

メラスティは、バンジャールごとに行われます。

バンジャールとは、町内会のような組織で、冠婚葬祭や宗教行事を行う際の重要な役割を担う組織です。
町内会のようなといっても、大きな権力を持っているので、バンジャールの決まり事は絶対と言っても過言ではないようです。

そのバンジャール単位で、海へ行き、身を清めお祈りをします。

その光景は圧巻です。

こちらに動画を貼ることができなかったので、ご興味がありましたら、こちらのインスタの動画が良かったのでご覧になってみてください。

cangguvillage



3、ニュピ前日に行われるオゴオゴ

前日にはオゴオゴが行われます。

バリ島は、一年中祈りの国でもあるし宗教行事も多いのですが、オゴオゴが一番盛り上がる宗教行事です。

この日は、松明を灯し、太鼓などで大きな音を立てて、家の中の悪霊や魔物を追い払います。

バンジャールごとに作られた巨大な魔物を象った神輿に悪霊や魔物を乗りうつし、ガムランなど伝統楽器を奏で踊りながら、町中を練り歩きます。

そして最後は火で燃やし海に流します。

バリ島は神を敬うだけではなく、地中に住む魔物たちも敬います。

この神と魔物のバランスの中で、人間が生活していけると考えていますので、どちらも等しく扱うのです。

オゴオゴを終えると、いよいよ新年のお祝いニュピです。

4、ニュピの4つの規律

ニュピは、「労働」「火や電気の使用」「外出」「屠殺」が禁じられます。(一部実施しない村もあるようです)

これは観光客でも例外ではありません。

よって、空港も交通機関も閉鎖、レストランやワルン、衣料品店やスーパーなども閉店してます。

また、家にいるときも、大きな声での会話も自粛を求められます。


宿泊者も、部屋からの外出は出来ません。
(一部、ホテル内であれが散策はできるかもしれませんが、基本、出来ないと思っていた方が無難です。食事の準備はホテルによって異なります)

だいたい、毎年、外出する外国人は逮捕されたりしてます。
2年くらい前かな、規則を守らず外出した外国人が、鎖でグルグル巻きにされた姿がSNSにアップされて笑っちゃいました。


赤ちゃんのいるご家庭は、オムツ替えや授乳もあるので、少しの電気の使用は認められていますが、予め、バンジャールに申請の必要があるようです。

また、光が漏れないように、黒いカーテンを窓にかけるという徹底ぶりです。



5、ニュピの過ごし方

ここまで、ニュピに関して、私の知り得ることを書き出してみました。

私が初めてニュピという宗教行事を知ったのは2018年です。

4つの規律を聞いたときの衝撃は今でも忘れません。

現代において、空港さえも閉鎖し、観光客も例外ではないという宗教行事に大変驚きました。

私はニュピを体験したことがないのですが、この時からこの日は日本にいながら意識をバリ島に合わせて、静寂と繋がるようにしています。

日本にいながらバリ島の静寂と繋がっていると、とても心が静かになり、広がりが大きくなります。
広がってくると、日々の小さな悩みも消え、ただこの地球上に存在していることに幸福感を感じます。

ただし、今年は静寂の中にノイズが多くて、何かと思ったらWi-Fiでしたね。
今年は特に多く感じ、何だかちょっと残念な気持ちになりました。

とはいえ、このバリ島のニュピは、サスティナブルや精神性、霊性面においても、リセットするいい機会だと思います。


これが世界中で行われたならば、石油や電力などの消費エネルギーの削減、平和への統一化が図れるのではないかと思うばかりです。

これを行うことで経済に影響が出るのは目に見えてわかることですが、経済成長より、人間は人間の心を取り戻すことが遥かに幸せだと考えます。

まだニュピの名残が私の中に息づいている今日ですが、この感覚を忘れずに、また新たな一年を迎えたいと思います。



いつも私を許し、私をここで生かしてくださる人たちに感謝します。

どの時代、どの次元、どの層を生きようとも、すべての人たちが幸せでありますように。
私の大切な人、私を苦しめる人、私を嫌うすべての人たちが、許され幸せでありますように。

ご予約フォーム(トータル)

お申し込みは、ご予約フォームよりお願いいたします。
24時間以内にご返信をいたします。
初めての方やメニューに迷われましたら、総合的アプローチの施術を受けれる「トータルセッション」をお選びください。